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『オルボワ~ル、会社が無ぁくなりましたぁっ!』 [振り返れば依頼原型]

『振り返れば依頼原型』第4段。
フランスから舞い込んだ、なんとなく怪しい制作依頼、その後です。

ムゲンさんの原型がほぼ完成し、監修に入った頃。
フランスから『次の作品制作をお願いしたい』とのメールが届きました。

お題はムゲンさんの旅の道連れ『ジンさん』。
眼鏡をかけて袴を着用、一見すると知的な剣客です。
ムゲンさんの報酬も支払われましたし、なにより剣客ってところに心が踊りよぉし、造っちゃうよぉ』ってことに。

そして形にしたのがこれです。

ジンさん01.jpgジンさん02.jpg

ジンさん03.jpgジンさん04.jpg

ジンさん05.jpgジンさん08.jpg


サイズはムゲンさん同様に1/8。
抜刀して振り払い、低く踏み込んで、次の攻めに移る瞬間、といった様子を目指しました。
刃よりも前に体を出すのは、間合いによっては大変危ないんですが。
そこはまぁ剣の達人ってことで、きっと大丈夫なんです。

笠も着用できるんですよ。
剣客らしさが増しますね。

ジンさん06.jpgジンさん07.jpg

といった具合に原型は完成。
納品して、さぁジンさんの報酬を………と、ここで問題発生
なにやら報酬の話になると、歯切れが悪いんです。
監修がごにょごにょ、とか。
ムゲンさんの生産手配がごにょごにょ、とか。
先に次の制作依頼『シティハンターの獠さんを』ごにょごにょ、などなど。
挙句の果てに担当者『社長と連絡がつかなくなりました、わたしも困ってます』とかなんとか。
もう怪しいなんてもんじゃありません
こりゃダメだなと。

その後も報酬の支払いを求めましたが…
ムゲンさんを販売しないとお支払いできないんです
社長と連絡がつかないんです
バカンスに行ったまま行方知れずなんです
…だとか。

結局、ムゲンさんが販売された様子は無く
メーカーのHPもひっそりと閉鎖
担当者は退職したとか。
多分に経営者が姿を消し、会社組織が自然消滅したのでしょう。
ジンさんの報酬は、支払われぬままです。

ムゲンさんの報酬が支払われたことで『信用できる』と踏んだのが……間違いでしたね。
根本的な怪しさが解消されたわけではなく、疑うべき相手でした。
さらに、他の企画をお願いできる人材を探している、との事だったので。
知人友人ら、原型師/フィニッシャーを紹介してしまいました。
依頼を引き受けた方もおり、怪しげな仕事に巻き込んでしまいました。
ごめんなさい

とまぁ、キャラクタ造形業界には、怪しいメーカーも少なからず存在します。
根っこから詐欺の類というわけではなく。
資本力が脆弱で、一発勝負だったり。
中国の工場を手配するコネがなかったり。
熱意をもって立ち上げた企画を、販売という成果へ導く能力が足りないんでしょうね。
そのため、いつの間にやら姿を現し、いつの間にやら姿を消すメーカーが、ちらほら見受けられます。

怪しい面もあるキャラクタ造形業界ですが、原型制作需要は依然として高く。
原型制作者は『慢性的に人材不足だ』と云われています。
それゆえ造形イベント会場では、メーカー関係者がアマチュア・ディーラブースを訪れ『新たな人材』に声をかけている姿を頻繁に目にします。
今や造形イベントは、人材発掘の場でもあります。

多くの造り手は、商業原型を手がけてみたい、との想いを持っていることでしょう。
しかし、メーカーの素性生産体制資本力やる気など、仕事として成立するかどうか、見極めも重要です。

もちろん、依頼を引き受けたからには、造り手側の気構えも重要です。
依頼を受けて造り、報酬を得る』というは、決して軽くありません。
メーカー担当者の声や版権者の意向を酌みつつ造るのは、イベント向けに『自分の作品』として気ままに造るのとは大きく異なります

これから商業原型を手がける皆さん。
造ったけどメーカーに逃げられちまった、という悲劇に出くわさないよう、十分にご注意を
良いメーカーと出会い、良い作品を造ることができるかどうか。
それは運次第…ではありません。
造り手の気構えによるところが、大きいですよ


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『ボンジュ~ル、フィギュア造ってくださぁいっ!』 [振り返れば依頼原型]

久しぶりにの『振り返れば依頼原型』第3段。
此度は2007年の依頼品を振り返ります。

あれは2007年3月あたり。
1通のメールが届いたんです。
なんと『フランス』にあるというメーカーから『フィギュア制作をお願いしたい』との事。
はい?フランス?
フランスって、エッフェル塔凱旋門があって、道行く人は皆フランスパンを抱えている、あのフランス?。
フランスから制作依頼??
怪しいです。
なんとなく怪しいです。
当時、他の原型師にも接触を試みていたようなので、ご存知の方もおられましょう。
そう、あのメーカーです。

しかし、幾度かやり取りを重ねてみると、どうやら本物のようで。
なんといっても熱意が凄まじい…。
日本のメーカーからは感じられない、異様なほどの熱意です。
商いとして成立するのかどうか、少々疑問でしたが。
余りあるほどの熱意でした。

依頼されたキャラクタは、某サムライチャンプルーしちゃう作品から、ブレイクダンサーよろしく、くるくる回転しながら戦うムゲンさん。
男性、特徴のある体型、無茶な戦い方。
造形対象として、かなり面白そうです。

ただ、やはりフランスにあるメーカーってのが怪しい…。
怪しいんですが、熱意は本物の様子。
依頼キャラクタも面白そうでしたので、引き受けることにしました

くるくる回転して戦っている様を再現して欲しいとの要望でしたので、ポーズを考察。
資料によれば、肩から背中を接地し、開脚しながら高速回転。
しかもその状態で刀を抜いて戦う………突き抜けた無茶っぷりです。

様々な作品を造ってきましたが。
さすがにこれほど無茶なポーズは経験はありませんでした。
それだけに、面白い…。

そして形にしたのがこれです。
ムゲンさん01.jpgムゲンさん02.jpg
ムゲンさん・タイフーンスウェル01.jpgムゲンさん・タイフーンスウェル02.jpg
ムゲンさん・パーツ展開.jpg

ね?…無茶でしょう?。
でも、面白いでしょう?。
ただでさえ無茶なのに、ムゲンさんの愛刀『タイフーンスゥエル』は、仕込みの短刀と抜刀状態を差し替えられるプレイバリューも備えています。
我ながら芸が細かいですね。

先方も気に入ってくれたようで、早速納品
報酬は香港にある本社から支払うので請求してほしい、との事。
どことなく怪しいキーワードその2『香港』が出てきました。
大丈夫か?と思いましたが、請求書を送付。
1週間後だったか、香港から請求したとおりの報酬が支払われました。
存外に怪しくない、それどころか普通の流れで仕事が終わりました。

なんだぁ、まともじゃないか、疑ってごめんよ、そう思ってました。
この時は…。

そんなわけで、次回に続きますよ。


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『今度は火の星の人ですか?』 [振り返れば依頼原型]

それとなく過去の造形仕事を振り返ってみる第2段
前回と同じく、18年ほど前に引き受けた依頼原型制作その2です。

あれは先の依頼原型制作から半年ほど経った、造形イベント開催日
私は知人のブースに『』として参加し、タミヤ製戦車キットの改造用にと『防盾』や『転輪』などのガレージキットを出品しておりました。
当日版権へのささやかな抵抗です。

ちなみに、その1でお話した『月にかわっておしおき』な原型は、この時点で全く商品化される気配は無く。
どうなったんだろうか?、と気になってはいましたが。
いずれ商品化されるだろうと、まだ期待していました。

さておき、ミリタリー中心だった知人のブースは、さほど賑わうことも無く、のんびりとイベントを楽しんでいました。
そこへ、前回の原型制作を依頼したのは私ですと、背広を着た男性が声をかけてきたんです。
こちらは電話一本で仕事を請けて制作し、宅配便で納品しましたので相手の顔は全く知らず
もちろん、見覚えの無い顔で、何処かで会った記憶もありません。
なのになぜこの人は私の顔を知っているのだろうか??、疑問を覚えました。

インターネットなど無い時代ですので、誰が何処で何を出品しているか、知るのは容易ではありません。
ところがこの男性、私が知人のブースにいることを知っていて、かつブースに座っていた2人のどちらが『私』であるか迷いませんでした
不思議です、不思議を通り越して不気味です。

されど某玩具会社の社員だというこの男性、そんな疑問に首をかしげる余地を与えぬほどに如才無い物腰で名刺を取り出し、すらすらと話始めました。
前回制作していただいた○×ちゃんが大変好評でして
続いて□△ちゃんを造っていただければと、お伺いいたしました
…好評といわれても商品になった様子は無いし、いったい誰に好評なんだろう??……疑問だらけです。
しかし、前回は報酬をきっちりと払ってくれましたし、資料も版権者から出てきたであろう『内部モノ』でした。
怪しげではあるものの、この男性が某玩具会社の社員であることは間違いないようで。
真っ当な依頼なのだろうと、信じるに足るものはありました。

して今回の依頼は、前回『月の人』に続いて『火の星の人』です。
どちらかといえば私向きなキャラクタで、造りやすそうです。
制作期間は1ヶ月例の決めポーズで、報酬は10万円との事。
前回『相場は8万円です』と聞かされていたので『おおぅ!2万円上がったぜっ!!』と内心小躍りです。

なんか怪しいなこの依頼、そんな疑念は『2万円アップ』で吹き飛び、嬉々として引き受けて制作開始
幸い本業のシステム開発は少し暇でしたので、造形作業にたっぷりと時間をかけられました。
おまけに衣装は前回とほぼ同じ、決めポーズもさほど難しくありません。
難なく作業は進み、3週間くらいで完成
宅配便で納品しました。

2週間ほど後だったでしょうか、先方から電話がかかってきました。
版権各者の"OK"を貰いました、ありがとうございました』と。
後日、約束の報酬10万円が、某玩具会社名で振り込まれていました。

怪しげなところはありましたが、依頼を受け造り納品し監修が終わり報酬が支払われた…結果としては何ら問題はありません。
仕事として成立しています………が。
……やはりこの原型も、その後どうなったのか解りません。

1件目の依頼から半年経過して2件目の依頼、共に商品化された様子は無し
何の目的で造ったフィギュア原型だったのか…謎です。
1件目はともかく、2件目は確認して造るべきだったような気がしますが。
2万円アップ』が嬉しかったもんで、ノリノリでおぉいぇい造るぜぇと…。
ま、どこかで何かの役に立ったなら、できれば誰かの手に渡り、大切に飾っていてくれたりすると、嬉しいんですけどね。

そんなわけで、これからフィギュア原型制作者に仕事を依頼しようという方
少々怪しげな内容でも、原型制作者に気持ちよく仕事をさせるにはどうすればいいのか
此度のお話から見えてきましたね?。

そう『報酬を2万円上げて提示する』ってことです。
とりあえず2万円上げておけば、原型師は内心小躍りして造ります……多分。


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え?8万円ですか? [振り返れば依頼原型]

なんとなく過去の造形仕事を振り返ってみようかなと。
此度は第1段、18年ほど前に引き受けた『』の依頼原型制作話です。

当時の私は、ワンダーフェスティバルへの当日版権導入などを機に、造形イベント活動から遠ざかってまして。
日々ソフトウェア開発に打ち込みながら、趣味として造形や模型制作を続けていました。

そんなある日、電話がかかってきましてね。
相手は某大手玩具会社商品開発部の者だとかで、某有名模型ライターからの紹介で電話しました…とかなんとか。
確かに、模型ライターの名に覚えはありましたが、紹介されるほど親しかったのか??と疑問を覚えつつ話を聞いてみると『フィギュアの原型制作をお願いしたい』との事。

完成品フィギュアが流通商品として定着しているならば、真実味のある話です。
しかし当時、フィギュアといえばガレージキット。
その某大手玩具会社はガレージキットを販売していませんでしたし『怪しげな紹介』も実に胡散臭く…。
こりゃ何かの冗談騙そうとしているに違いないと感じました。

それゆえ適当に話を聞いていると『では資料を送付いたしますので、よろしくお願いいたします』といった具合で話は終わりました。
ま、送っちゃこないだろう、そう思ってました。

するってぇと数日後、なにやら社名入り大きな封筒が届いたんです。
あれ?、なんか電話してきた会社の名前だ…あれれ?、資料が入ってる…
そう、ほんとに原型制作依頼だったんです。

なにせ適当に話を聞いていたもんで、資料を見てようやく依頼されたキャラクタを知りました。
当時大人気だった『月の光に導かれちまうアレ』を1/8サイズで造ってくれ、そういう事のようです。
納期も書いてありましたね、約1ヶ月でなんとかしてくれと。

それほど難しいキャラクタではなくサイズも手ごろ、ポーズ指定があり、急げば1ヶ月ってのも無理ではありませんが…随分と急ぎ働きを求めてきたもんです。
ソフトウェア開発の仕事もありますし、作業時間の確保がちと難しい状況でしたが、どうやら引き受けたことになってるようなので、造るしかありません。

それから1ヶ月、連日午後10時頃に帰宅午前4時辺りまで原型制作
ちょうど担当していたシステム開発が佳境を迎えていた時期で忙しく、じっくり作業できるのは日曜日のみ
過労死って多分こうして起きるんだなぁ、などと思いつつ、指定されていた『決めポーズ』を再現するのが意外と難しく
重心の移動、姿勢の反り、指の向き、視線の向き、全体の表情など…実際に造ってみると、これがなかなか手強い。
鏡の前で自ら『月にかわっておしおきよっ☆』などと台詞も交えて決めポーズをとってみたり。
職場でも無意識にポーズをとっては、重心位置を確認していたり。
今想えばかなり危険な状態でした。

そんこんなで、なんとか形にして納品。
ガレージキット原型として仕上げて、そのまま複製すればキットになる状態です。
先方は大いに気に入ってくれた様子で、版権各者からも『OK』を貰ったとの事。
そりゃぁよかったよかったってんで、さぁ工賃を請求しようと考えていたら、先方が工賃を提示してきました。
8万円でお願いします』と。
え?、それって安いんじゃ??
いえ、これが相場ですので』と担当者。
相場と言われると、そうなのかもしれないなぁと8万円を飲むことに
数日後、指定した口座にきっちり、某社名で8万円が振り込まれておりました。

して、初めて請け負った依頼原型は、その後どうなったのか…。
これが解らないんですよね。
ガレージキット商品になった様子は無く
ましてや完成品として販売された様子もありません
企画倒れになったのか、別の目的で立体化したのか…いったいあれは何だったのやら。

ちなみに某大手玩具会社からの依頼は、この後もう1件ありました。
半年後だったでしょうか、客として某ディーラブースに参加していたイベント会場で、先の電話で話をした担当者が声をかけてきましてね。
これまた月の光に導かれちまうシリーズだったんですが…また別の機会にお話しましょう。

ところで工賃8万円は、妥当だったのか??
いやいや、いくらなんでも安すぎるってことが、後に明らかとなりました。
これから原型制作を請け負う方は、1/8サイズフィギュアの原型制作工賃を、8万円で『うん』と言ってはいけませんよ。


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