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美少女フィギュアは燃えているか・その8・『リセット』 [美少女フィギュア勃興史]

世紀末はあっけなく過ぎ去り、時は2000年台に突入。
80年代初頭に産声をあげた女の子フィギュア模型も、齢約20歳
意欲的な造り手により、新たな造形技法作品表現が編み出され、あらゆる面でフィギュア模型は進化
幾人もの『』な造り手が現れ、今なお『名作』とされるガレージキット作品も多数生み出されました
女の子フィギュア模型は、イロモノ的な側面と高度な造形作品という側面を併せ持つ、実に奥深い模型へと成長した…ような気がする20年でした。

成長を支えたのは…まず、造り手たちの深いキャラクタ愛と飽くなき探究心/向上心
造り手たちの探究心や向上心を刺激したのは、作品発表の場でもあり商いの場でもある造形イベント
なにより、作品を評価し、対価を払ってくれる買い手の存在。
これらが絶妙な均衡を保ちながら、成長を支えてきたといえるでしょう。

そんな20年の歴史と成長を、しみじみと振り返っていた2000年。
ワンダーフェスティバル・リセット宣言』なる事件がおきました。
現状のまま続けていてはダメなんだ、とりあえずリセットするため休止するよん
といった具合に、唐突にワンダーフェスティバルが開催されない、って事になったんです。

なぜリセットなのか…理由は不鮮明でした。
当日版権危ういから休止、とか。
個人ディーラが出品する作品が、甘っちょろくて見てられないから休止、とか。
理由が不鮮明だったがゆえ様々な憶測が飛び交い、さながらスポーツ新聞や週刊誌の如く『関係者の話』を流布する者もおりました。

確かにこの頃、当日版権を危うくしかねない出品物や噂が、ちらほらと耳目に飛び込んできました。
たとえば…申請件数が『とんでもない数』に膨れ上がっている。
有名キャラクタの意匠を、ちょっとだけ変えて『オリジナルです』と言い張って出品している者がいる。
求められた提出物を準備できない者が多い。
申請した販売数以上に売っているのでは?と疑わしい者がいる。
さらには、イベント開始早々に『完売』を掲げているものの、実は完売しておらず商品に版権シールを貼って保管。
イベント終了後、持ち帰った商品をディーラ自ら身分を隠してネットオークションなどに出品
イベントで購入しました』との触れ込みで高額落札させている…のでは?といった疑惑を抱かせる者がいる…など。
当日版権システムが定着して久しく、出品者も出品数も増えていただけに、トラブルも増えていたであろうってのは容易に想像がつきます。

個人ディーラの出品物が甘っちょいから休止は…さすがに無いと思うんですが。
イベントそのものが商業化を推し進め、甘っちょろい方向へ流れていましたし、個人ディーラの作品も、商売っ気を濃く匂わせているものが目立ち始め、どことなく画一化が進んでいました。
技量に余裕のある者が、売れる形を意識して体裁良くまとめているなど、甘っちょろいといえば甘っちょろいと感じられる作品もありはしましたが。
それでも、それぞれに懸命に仕上げた作品であるはずで、主催者に『甘っちょろい』などと断じられる筋合いは無く
もしも『甘っちょろくて見てられないから休止』がリセットの理由であったのならば、甚だ驕った姿勢です。

結局、ワンダーフェスティバルは1度休止しただけで、表面上は何をリセットしたのかよく解らなかったものの、再開する事となりました。
主催者の説明が十分だった、とは言い難い部分もありましたが。
多くの一般ディーラが、ワンダーフェスティバルの存在意義を考え、そこへ出品する意味を見つめなおしたとしたら、価値のある休止だったといえましょう。

その後、完成品フィギュア市場が急拡大する中、反比例するようにガレージキット市場は急速に衰退
ガレージキットから撤退するメーカーが急増し、完成品フィギュアへと軸を移していきました。
造形イベントも完成品フィギュアの『新作発表会』の様相を呈し始め、古参の個人ディーラからは不満と不安の声も聞こえてきました。

それでもガレージキットは、80年代初頭と同じく個人パワーに依存する形で今なお存続しています。
イベント出品する個人ディーラたちは、完成品フィギュアを見慣れた目の肥えた買い手を前にして苦闘し。
さらに高い技術力と表現力を身につけるべく、切磋琢磨しているのです。

はたして当日版権システムは、このまま機能し続けるのか。
一大フィギュア商業イベントと化した『ガレージキットフェア』はどこへ向かうのか…。
そして…美少女フィギュアは燃えているのか?


そんなわけで、もそっと続きます。


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コメント 7

ブリッジ

パルパル
軽い挨拶より開始(笑)
造型を始めたのが遅いので今のWFの歴史などが全くと言ってよい程分らないのですが凄い空白の1年があったのですね。
しかし今の情報が多く技術関連誌が多くても難しいですね実際に作ってみるのは(汗)
しかし皆さんの作品も凄い作品だらけで圧倒されますが似た作品や誰も作らないようなキットが少なくなった感じもしますね。
しかし熱いですねGOTAKさんは…(笑)
ミリタリークイズたんまり集めときます(笑)
ではでは
by ブリッジ (2010-01-26 22:53) 

時折

こんにちは。
今回のお話(2000年)頃から私もWFに行き始めましたが、この頃はアマチュアディーラーの頑張ってる造型?作品も多く、見て話して楽しかったのをおぼえてます。
(おかげでWF参加する気になりました。笑)
以降、商業ブースは成長/拡大の一途をたどり、ディーラー側の造型クオリティーも底上げまくり‥って感じを受けてます。

そして、リスタート頃からでしょうか。
‥燃える美少女が、『萌える』になりだしたのは‥(^_^;)
by 時折 (2010-01-26 23:40) 

GOTAK

コメントありがとうございます。


<ブリッジさん>
リセット期間は1年ではなく、半年です。
空白というほどでもなく、ディーラ参加者は他のイベントに参加するなど、柔軟に対応していました。

インターネットの普及により、造形関連情報の伝播速度と量は飛躍的に向上しましたね。
HowTo本などもそれなりに役立ちますし、造形素材も充実しています。
ただ、情報が溢れているだけに、容易に答えを得られますので。
答えを得る過程を経験していない造り手が、増えているかもしれません。

ちなみに、24口径や48口径の75mm砲も良いですね。
70口径も良いんですが、あの短さが素敵です。


<時折さん>
頑張ってます、好きなんです、といった造形は心に響きますね。
手馴れた造りで、無難に体裁よくまとめた今風の作品よりも心に響きます。
燃えている作品も、萌えている作品も、様々ありますが。
『好きなんです感』溢れる造り手が、嬉々として参加できるイベントであってほしいですね。

しかし…珍しい/面白いネタをWFにぶつけるディーラにとって、此度の当日版権5件制限の影響が大きいでしょうね。
5件に制限されると、本命ネタしか出品できなくなりますから。
出品物の少ない、類似したネタを並べたブースばかりになりゃしないかと…ちと心配です。

by GOTAK (2010-01-27 11:28) 

OM-11

私が参加し始めたのは、ようやくこの前後になってから。
リセット宣言は、その前に帰ってしまったので、知ったのはMG誌の特集ででした。
冬の会場を取れなかったから、という説はどうなんでしょうかね。
リセット後にディーラー参加し始めた私も、数えで9年目に突入。
もう一昔前ですね・・・。
by OM-11 (2010-01-29 13:45) 

GOTAK

コメントありがとうございます。


<OM-11さん>
造形イベント参加、9年目に突入ですか。
此度も準備は順調に整いつつあるようで、計画的な進行はさすがは9年目ですね。

会場を確保できなかった説の他にも、諸説ありましたよね。
『疲れたんで休みたかっただけ』説とか。

そんな憶測を招いた原因は、主催者の説明が不足していたってことに尽きます。
面倒なのか何か都合が悪いのか、この一件に限らず説明が後から出てきますよね。
無意識に繰り返してるとしたら、学習能力が欠如しているってことでしょうか。
意識して繰り返してるとしたら……後で説明出さねばならない、理由があるんでしょうね。

by GOTAK (2010-01-29 20:08) 

冨樫

 ふと考えた事があります。
理由はどうあれ海洋堂がWFに嫌気が差して投げたのは
間違いないと思いますが、なぜたったの一回休んだだけで復活させたか?
という事には見当がつく気がします。

要はカネです。
ワンフェスを行わず夏から冬までの決算を一回挟んで
いた事からも、「一度ワンフェスをやっただけでどれだけ儲かるのか?」
が解かって青くなったんじゃないでしょうか。

 ご存知と思いますが、ビックサイトはWHFも行われて
おりました。そしてブース代は合体で16000円。
同じ会場でワンフェスは同面積の1卓25000円取っています。

 この差額は何でしょうか。
仮に警備やスタッフに全て回していると考えても、まだ
カタログが残っております。 一般に回す分を今回は4万部
刷ったと聞きました。 一冊2000円で40000売ったとしたら
単純計算で所得が割り出せます。

 印刷代差っ引いても社員の半年分の給料賄えそうですね~(笑


 まあ以上はあくまで俺の推測ですが、俺は今後も
海洋堂がWF利権を手放さないと思っています。
なぜならリセットで懲りたから。

 だから偉そうに説教しながらもあっという間に嫌気が差した
筈のワンフェスを復活させたのだと思います。メーカー主導で
企業ブースにお客も流せますしね。 

今回からの「5件縛り」は、いかにも海洋堂がやりそうな
事で、手間を省いてブース代だけは頂くって事でしょう。


 当方のHPにも書きましたが今回のワンフェスはどこに
行ってもトイブースばっかりでうんざりしました。
フィギュアはフィギュアで無難な大きさの手堅い美少女
ものばっか・・・ 1/6すら殆ど無かった様に思います。

 基本1/6以上や、意欲的なオリジナルを狙う俺としては
非常にガッカリな冬フェスでした。 

 友人は1/9のオリジナル8000円で15個も売れたのに
「だめだ~話になんねえ」と嘆いてるし・・・
どんなに「今の現状でオリジナルをそれだけ売ったのは凄い」と
言い聞かせても解かってもらえない・・・

 どうもこれだけ趣味に偏りまくったガレキという無駄に
高い嗜好品を皆さん「売れて当たり前」と思いすぎなんじゃ
ないかと感じました。 イベント自体が商業に走っていると
よく言われますが、そんなに売れ筋同人誌みてえなモン
造りたいの?とちと引いてしまいます。


俺自身「大きいものは売れない」とか「半身像は売れないよ」とも
言われるんですが、今作っている「いかにも時代に逆行した
でっかい半身像」で、そんな風潮に少しでも逆らえたらな
と思いつつ今日もオパーイ盛り削り。オシリは完了でアリマス!(笑

6,7月と連戦で販売する予定で進めてます。
はたしてどうなります事やらー><

と長々失礼致しました^^;




by 冨樫 (2010-02-11 15:03) 

GOTAK

コメントありがとうございます。


<富樫さん>
WFお疲れ様でした。
富樫体型の捻り具合で佇む『半身なのに40cm』の灰色新作原型は、道行く人に衝撃を与えていたようで。
遠目には怪獣模型と見紛うばかりの迫力と存在感。
飾り気なしのブースは、さながら『ガレージキット最後の砦』。
今時のお客さんは、どう見たでしょうね。

WFの裏側には、様々な事情がありそうです。
利を求める企業が主催しているがゆえの事情なのか。
他の事情なのかわかりませんが。
時々それが透けて見える…ように思えてなりません。

1卓の料金も入場料も、確かに高いですね。
経費がどれくらいなのか釈然としませんが、固定収入としては大きいだろうと推測できます。
その上、主催者自らブースを構えて物販してますから、『やめたくないイベント』ですよね。
そんな営利イベント主催者ですが、時としてまるでボランティア主催者かのような姿勢で、ディーラ参加者に『協力と理解』を求めてきたりもします。
黎明期のWFであれば、ディーラ参加者の協力と理解は不可欠でしたが。
巨大な商業イベントと化した今に至ってなお、主催側の都合をディーラ参加者に押し付ける…ように見える行動をとるってのはどういう了見なのか、ちと疑問を覚えます。

1/6サイズ以上の出品物、減っていましたか。
そういわれてみると、減っていたような…。
PVCフィギュアの多くが、1/8サイズだってところが影響してるんでしょうか。
それとも、造り手のコスト意識でしょうか。
造りやすく手ごろな大きさだってのは、間違いないですけど。

1/9サイズで8000円のオリジナル作品が、15個売れても嘆いてしまうご友人ですか。
それはまた贅沢な嘆きで…15個も買ってもらえりゃ大成功ですよね。
私は今もなお、1個ですら売れるかどうか解らない、それがガレージキットだと思ってます。

大きい半身像は売れない…と言われると、否定しづらいものはありますね。
無駄に大きかったり、脚を造るとポーズがまとまらないから半身像、などという作品であれば、見る者を惹きつけられないのは当然ですが。
大きさと半身像であることに意味と価値を見出せる作品ならば、喜んで対価を払ってくれるお客さんはいるはず。
それがガレージキットってもんで。
ここは存分に『富樫語でまくしたてる作品』に期待です。

by GOTAK (2010-02-12 21:28) 

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